HAPPY SWEET ROOMT------14 トラック トリック
HAPPY SWEET ROOMT
14 トラック トリック
そして、精神錯乱状態(大げさか?)の俺を完全無視し、エロ運転手が車を動かし始めて数十分経過後――。
「あん、ぁあんっ」
まったく自分でもどうかしてると思うが、無理やりロッセに膝枕してもらうという形で俺はせまい車内に横たわっている。腰と膝をクの字に折り曲げて、震動と共にアンアン言う姿は相当危ないヤツだ。それに、ロッセがブレーキ踏むたびに膝が上下して、同じく俺の頭も上下運動。かなり絶賛AV実践中な感じにもはや笑える。いや、実際さっき実践したんだけどさ……。
無様だ……。だれか俺を笑ってくれ……、エロ神官以外今なら許す。
そして、俺を……、
――ホテルでも草むらでもどこでもいいから連れこんでくれーっ!!(あとは自分で処理するから♪)
もう、照れも恥もそんなもん気にしてられっかぁ!だ。でも、やはり例のごとく口から出るのはアンアンばかりなのだが……。ロッセのアレを飲んでからというもの、気がぶっ飛びそうになったこと数度。でも、なんとか気力で阻止している。本当は感じ過ぎて苦しいくらいだから意識失いたいところだけれど、ロッセの運転に対する危惧もあるが<この状況>でそれだけはできない。
俺は気が遠のきそうになるのを必死に抑え、ロッセの膝の上から車窓を見上げた。微妙な風圧と車の揺れを感じ、「また来たか!」と股間をギュッと掴む。数秒後に通り過ぎるだろうバス(もしくはトラック)に緊張感を高めながらなんとか息を潜めた。
まったくこれで何度目だよ……。
バスが並行し、やがて後部が見えた途端、溜めていた息をほっと吐き出す。
駐車場を出てからすぐに一台目のトラックが追い越して行ったんだけど、その際バッチリ運ちゃんと目が合ってしまった。ちょうどそのとき俺のジュニアがコンニチワしていて、あらぬ視線に気づいて慌ててシャツの下に隠したとはいえ、しっかり見られていたと思う。なんか運ちゃんの目が笑ってたような気がするし。これじゃあ、公然わいせつもいいところだ。ただでさえ、ロッセが無免許運転だというのに(※よい子もわるい子もマネしちゃダメよ)俺まで昔懐かしコート全開チ○○丸出しヤローみたいになってしまったら非常にまずい。この状況で警察に捕まったりなんかしたら、いい笑いモノよ……。
俺は悲しみに暮れながら、家までの長い道のりを根性で泣く泣く耐えた。
さらにおそらく十数分経過後(体感経過時間はこの三倍!)、朦朧とした意識の向こうでロッセの声がうっすら聞こえて俺はきつく閉じていた目を開いた。
「なに……?」
寝起きみたいにかすれた声になってたけど、ロッセの耳にはちゃんと届いたようで「着いたぞ」と言ってサイドブレーキを引いた。そして、「よく耐えたな」なんて言ながら俺の頭を撫で撫でする。
「や……めて」
こっちはちょっと触られただけでもキツイんだよっ!!
俺は力の入らないカラダでそれでもロッセを睨みつけた。ロッセはなにを勘違いしたのか笑みを浮かべて俺の頭を持ち上げると、自分の足を除けて車から降りた。置いてけぼりをくらうのかと思っていたら、助手席側のドアが開いてロッセが俺の身体を持ち上げシートの背面にもたれさせる。そして、腕を引っ張り俺に背を向けると、そのまま俺の身体を自分に乗りあげさせた。ロッセの髪の毛が俺の頬を掠める。
「おんぶ……?」
フッと吐息が聞こえてロッセが笑ったのが伝わる。
「お姫様抱っこの方が良かったか」
俺は思わず頬を熱くして首を横に振った。
ご近所でそんなことされたらいい笑いモノだ。だが、正直カラダのことを思えばお姫様抱っこの方が楽かもしれない。
必死で足に力を入れて腰を浮かす。
だって……、この体勢じゃあアレがもろにロッセの腰に当たる……。
ロッセにぶっ掛けるワケにはいかないと、俺は必死にしがみついた。それに対して、ロッセが時折肩を揺らして笑っているのがわかる。
――元はと言えばロッセのせいだし、もしここで俺が出してしまったらアンタも恥をかくことになるんだぞ。
と、思うがいかんせん分が悪すぎる。俺はもしもの場合を恐れて、どうかだれにも会いませんように(とくに大家さん!)と祈りつつ、必死に耐えた。
「ただいま」
ロッセはいったん俺を下ろし部屋の鍵を開けると、今度はお姫様抱っこに持ち替えて寝室に向かった。
「はぁ……」
シーツのうえに下ろされ、そこでようやく俺はほっと安堵の息を吐く。そして、ロッセにあっち行けという意味を込めて手をシッシと振った。
「どうかしたか」
すぐさまロッセに聞かれ、仕方なく理由を必要最低限に言った。
「イキたい」
――こっちはとっくに限界百二十パーセント超えてんだよっ。わざわざこんなこと報告させんなー!
ロッセを恨めしく見やりつつ、俺はベッドのうえ背を向けた。震える手でジッパーを下げ取り出す。まだ、ロッセの気配を後ろに感じていたけど、出て行くのを待ってる余裕もない。でも、次の瞬間耳元で聞こえた声にビクリと手を止めた。
「そんなに震えて自分で出来るのか」
答える間もなくロッセに後ろから抱えこまれて俺の手のうえから一緒に握られる。それだけで俺の背筋がピンと張った。
「ああ、あああ……」
「これではすぐにでもイッテしまいそうだな」
ロッセは含み笑いしつつ、キュッキュッと俺のを上下に擦り始めた。同時に耳も舐められて、唾液の絡まる音が脳みそを震わせる。
「舐めてやろうか」
「……い、い」
「遠慮するな。さっきのお返しだと思えばいい」
そして、耳からロッセの唇が離れたかと思うと、手を外されヌメヌメしたものが俺のをすっぽり包んだ。
「あ、うううっ!!」
股間が急激に張りつめて、解放された虚脱感が襲ってくる。
……もう、限界中の限界だった俺はあっさりとイッテしまった。それもたった一舐めで。足が空を蹴り、腰が恥ずかしいくらいカクカク前後に震えた。
「はあぁ……」
精気を全部外に出してしまったような感覚に満ち俺は茫然と宙を見る。だが、不意に視線を遮られ、視界いっぱいにロッセの顔が現れた。ロッセがこれ見よがしに喉を鳴らす。
お相子とでも言いたいのだろうか……。
怒る気にもなれずぼんやり考えているとロッセがキスを求めてきて、その生臭さに少しむせそうになったけれども、さっきも似たようなことをしたしもういいやと、俺は半ばやけくそになりながらも唇を受け止めた。
「風呂に入るか」
唇を離してロッセが俺の前髪をかき分けた。濡れた髪が額に引っついて、悶々としている内にずいぶん汗をかいていたようだと気づく。
また、風呂に入るかと聞かれうなずくと、ロッセは俺のカラダを持ち上げた。脱力気味の俺は素直にロッセの胸にもたれかかる。
風呂場に運ばれた俺は、やはり立つことができず、バスタブに腰かけた。ロッセが俺の抵抗を軽々払いのけ、服を次々脱がせてゆく。そして、服をカゴに放り込み、温度調節したシャワーの湯を緩やかにかぶせた。やさしい手つきで全身を洗い始める。それこそ、洗えるところは全部という、丁寧と言うよりも執拗なくらいに。尻の奥までフル洗浄、過剰サービス付き。
「も……やだぁ」
与えられる快感をなんとかやり過ごそうと、俺はロッセのシャツをきつく噛んだ。ロッセと言えばシャツが濡れるのもなんのその、俺と身体を入れ替えて、服を着たままバスタブに座った自分の腰に俺を跨らせて局部を念入りに洗う。
「そ、そこ……」
カラダの中で指がバラバラと動く感じは何度されても慣れない。弄ぶように指がポイントを掠めてはすぐにまた逸らされる。絶妙な動きで追い立てられて、知らず知らず涙が溢れていた。
「ロッセ、ロッセ……っ」
ロッセに後ろから挿れられたら後々ものすごく乱れてしまうのがわかっているから、なかなか挿れてくれとは言えないし、かと言って止めてくれとお願いして放置されるのも苦しい。自分ではどうにもできなくて、俺はひたすらヤツの名前を叫んだ。
「挿れて欲しい?」
突然ロッセが動きを止めて俺の瞳を覗き込んでくる。
前を弄られただけなら前だけでイッテ終われるけど、一度後ろを触られてしまったらカラダが満足するまで突いてもらわない限り熱りを抑えられない。
俺はまた涙が落ちそうになるのをこらえて、小さく顎を下ろした。
――早くちょうだい……。
それからロッセの行動は早かった。すばやくシャツを脱ぎすてると荒々しくベルトを外し、すでにいきり立ったモノを尻に宛がう。しつこいくらいに洗われたソコはやわらかく解れていて、太い部分もやすやす飲みこんでいった。
すぐに袋がロッセの腹に着地する。あまりに滑らかに全部入ってしまい、俺は衝撃で後ろに倒れ込んだ。だが、咄嗟に力強く引き寄せられ、そのせいで中のロッセが動いてクタリと腰が折れる。
自分でもこれ以上どうなってしまうのかと怖くなるくらいに感じた。ロッセが少し身じろいだだけでも、敏感に快感を拾っては浅ましく腰が揺れる。
「もっと、もっと」
俺はたまらなくなってロッセに懇願した。全身のどこもかしこも熱く感じて、早く外に熱を出してしまいたい。
ロッセは低く唸ると一度抜き出し、俺を立たせようとした。けれど、膝が笑って思うように立てなくて、バスタブに手をかけさせて跪かせる。そして、腰を高く引き起こすと、後ろから挿れてきた。それまで穏やかに攻め立てられていたのが、急にガンガンと獣でももっと落ち着いているぞと思うぐらい激しく追い上げられる。
「アン、アン、アア」
いつもよりひときわ高い声が反響して頭が痛くなった。ロッセが打ちつけるたびに擦れる膝も悲鳴をあげている。でも、なによりも早く自由になりたくて、俺は我を忘れてただただロッセを求め続けた。
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